なぜ日本は20年間もGrand Prizeを取れなかったのか
日本が20年間もGrandprizeを取れなかった理由は、Grandprizeをとるために、活動していた人がほぼいなかったからです。 しっかりと運営側にまで入り込んで仕組みを理解し、世界トップの標準レベルで活動した結果、ちゃんと取れるようになりました。
私は、合成生物学分野で何かを行うことを目指す人にとって、Grand Prizeを目指す過程で培われる視野の広がりは、大きな価値があると考えています。 目標を高く持つことで得られる経験は、単なる賞の受賞を遥かに超えた意義を持ちます。
本記事では、どのような考えが重要であったか、個人的経験を踏まえて、紹介します。 本記事が、最初からGrand Prizeというを目標を捨てることなく、その背景を知った上で判断するための良い材料になることを願っています。
しかし、日本では、合成生物学に興味はあまりなくても、研究者としてのトレーニングとしてiGEMに参加している人が多いです。そのような人たちは、iGEMに特化 してGrand Prizeを目指すよりも、自身の目標に対して積極的になるべきかもしれません。そのような人にとっても、現在のiGEMを知ることで、目標に対する取捨選択ができるようになると思います。
目次
前提条件
まず、日本で iGEM Competition に挑戦している人の個人レベルでの能力や技術力は、世界でもトップレベルに高いです。 それでも、これまで 19 年間の間、1 チームも、iGEM でファイナリストになれませんでした。 優秀な能力を持った人がいても、なぜ勝てないのか。そしてその後も、彼らはなぜ Ginkgo のような大企業を作れないのか。 そのような問いから、今回の探求は始まりました。
勝つための十分条件
強いコミュニティ (システム、指導者、環境) もしくは、強いリーダー (熱狂、冷酷な決断力、チーム統率力) のどちらかがなければ、勝つことはできません。
短期間で成果をまとめるという iGEM Competition の特性上、すべての予定が成功し、良い結果を出すということは、ほぼ不可能です。 その時に、どうしても苦しい取捨選択を行いながら、撤退戦をうまく乗りこなしながら、質を向上させる必要があります。これをやれる人や仕組みになっているかが、本当に重要です。
また、メンバー、PI ともに参加初年度で、iGEM Competition で Finalist になることは、近年ではほぼ不可能です。 参加初年度でも勝つことができる唯一の方法は、iGEM Competition に関係なく、強力な合成生物学の技術力を持つ研究室で、かつ、iGEM Competition で Finalist になるための方法を理解している人のサポートを受けることです。
完全にゼロからチームを作ることは、楽しいと思いますし、それができた人は、本当にすごいと思います。しかし、ほとんどの場合、メンバーにやる気になってもらうところから始まり、iGEM のルールもよくわからない時点で、iGEM Competition 本番を迎えます。そのため、とても困難な挑戦をしているのに、Gold メダルすらとれません。 日本では、このような状況が本当に長く続いたと思います。
これは、世界各国でも共通のことです。 そのようなことを体験した多くの人たちが、同じ後悔をしないように、多くの情報を発信してくれています。 私も、チームを 0 からつくった経験(iGEM Competition 経験者のサポートあり) があるので、そのような苦しみは、想像に難くありません。
参考 : Youssef Abdelmaksoud / 現在は Head of iGEM Middle East and North Africa League / エジプトで 2 番目の iGEM チームをカイロ大学につくり、iGEM 2019 に挑戦した記録
参考 : Mizuki Kita / iGEM Gunma をつくり iGEM 2019 に挑戦した記録
強いコミュニティとは
iGEM Competition で Finalist になるチームは、数年単位でみると、あまり変わりません。 それほどまでに、強いチームのエコシステムは強力です。多くのチームの強さは、PI を始めとするサポートチームがもつ、強力なシステムによるものです。
私は、そのようなチームのメンバーたちとも直接話す機会がありました。 彼らは、”当たり前”のように努力し、iGEM Competition を楽しみ、結果を出してきたことがわかりました。 それは、強いシステム (適切なスケジュール管理、仲間、環境など) とテンプレート (技術的蓄積や知見など) に支えられ、”当たり前”のように 高い水準で努力し、結果を得ることができた恩恵によるものだと思います。
良いコミュニティは、適切なスケジュールを強く理解し、高い水準のクオリティを”当たり前”のように要求し、 その要求を”当たり前”のようにこなすことで、順調に成長します。 そのようにして、絶対的な王者が誕生していきます。 日本の iGEM コミュニティが、ここまで大きくなるには、まだまだ道は遠いです。
強いコミュニティを作るには
しかし、その出発点は、圧倒的な情熱によってこじ開けなければなりません。近年、強豪チームの仲間入りを果たしたチームはいくつかあります。
高校生年代でいうと LINKS-China。 大学生年代でいうと、Vilnius-Lithuania (2015 年初参加、2017 Grand prize, 2020 Grand Prize, 2023 First Runner Up)が存在します。
LINKS-China は、記事にまとめましたが、強烈な熱意を持った Boxiang Wang さんが、強力なシステムを構築し、それを実行できる環境まで整えたことによる努力の賜物であることがわかります。
Vilnius-Lithuania も強烈な熱意を持った Dainius Tautvaisas さんにより立ち上げられました。彼は、インストラクターとして初期を支えつづけました。
そして、いまでは、OBOG が立てたスタートアップ (Biomatter や Algenius Foods) は欧州で注目されるスタートアップとなり、現在 iGEM 本部 においても 2 人 が中心となって働いています。
たった一人の情熱から始まった取り組みは、Lithuania という人口 270 万人の国において、合成生物学で社会に貢献するという文化を 0 から作り上げるまでになりました。新時代の iGEM を象徴するようなチームです。
参考
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Dr. Ingrida Olendraite: From Leading the First Lithuanian iGEM Team to Virology Research
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pov: an iGEM Finalist - Vilnius-Lithuania 2020 (UG Grand Prize Winner)
まとめると強力なコミュニティを作るための良いサイクルを作るには、このようなサイクルを生み出すことが重要だということがわかります。
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1 : 圧倒的な熱意でコミュニティを立ち上げる
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2 : コミュニティを強くし、成功体験をつくる
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3 : 憧れの対象となるようなモデルケースを生み出す
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4 : 強力なシステムの中で育った高い水準の人材が、次のモデルケースとなる。
また、このような強力なシステムの中で育ってきた人たちは、iGEM での活動をとても良い記憶とともに持っています。 そのような経験は、iGEM コミュニティの発展に寄与することや、新しい挑戦を行うための後押しをする活力になっています。
このとき、コミュニティの初期の思想やモデルケースは、その後の方向性に大きな影響を与えます。 日本にも強いコミュニティは、いくつか存在します。 しかし、そのコミュニティから、Grand Prize のチームが出てこないのは、そのコミュニティの思想的方向性によるためだと推測されます。
日本の状況
日本で、強いコミュニティとして存在しているのは、TokyoTech (2006 ~ 2015) や、Kyoto (2008 ~ 現在)が存在します。
TokyoTech (2006 ~ 2015)
TokyoTech (2006 ~ 2015)が、強いコミュニティであった理由は、木賀先生の活動によるところが大きいです。 木賀先生は、iGEM に初期から参加するとともに、運営 (特に Judge と Mesurement の分野) に参加することで、iGEM を形づくってきた一人です。 そのようなことから、TokyoTech は、iGEM についての情報の優位性をもっていました。(実際に、木賀先生が Judge Commitee に参加した 2010 年に、初めて Track Award を受賞しました。)
Tokyo Tech は、高い水準で合成生物学に携わる人材を育てるという目的のもと、iGEM に参加していたそうです。 そのような目的は、合成生物学コミュニティを裾野から広げ、社会に浸透させる上では、大変に重要な役割を果たしています。
そのような背景の中、iGEM Tokyo Tech は、次のような戦略をとり、iGEM に安定的に挑み続けました。
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1 Wet の技術を特定の分野に絞る
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2 Wet と Modeling (Dry) の融合プロジェクトを行う
1
は、大学の研究室の運営と並行して、毎年安定的に行うために、できるだけ研究室のリソースを削らない形で、かつ、他のチームとも十分に戦える実験にするために、とられた戦略だと考えられます。また、その活動の中で蓄積した技術は、研究室に還元されることが求められていました。
2 は、iGEM の仕組みを深く理解していたからこそ、とれた戦略です。iGEM
では、コンピュータ関連分野の人が多く関わっており、正確な制御に重きを置かれていました。
しかし、合成生物学黎明期には、Wet と Modeling (Dry)
の両方の分野を組み合わせられる人材が極端に不足していました。 そこで、iGEM Tokyo
Tech は、競争力が低い、その分野にターゲットを絞り、挑戦しつづけました。
そのように、1 と 2 の戦略を混ぜたものとして誕生したのが、Quorum Sensing (QS)をベースとしたプロジェクトです。 この戦略は、驚くほどうまくはまり、大きな技術的な転換なしに、プロジェクトの表面をすこし変えるだけで、2010、2012、2013、2014 に Track Award、2015 に Track Award Nomination を獲得しました (木賀先生の早稲田大学への異動につき、木賀先生が率いる iGEM Tokyo Tech チームとしての活動は、2015 年を最後に終了しました。)
このような活動で育ってきた人は、当初の目的通り、アカデミアに多く進んでいます。これは、大きな成功の一つでしょう。 しかし、コスパよく、ある程度の賞をもらえる、強力なシステムを構築できてしまったがために、次第に、大きな挑戦をして、Grand Prize を狙いに行くことが、心理的に難しい状況になっていたことも否めません。 それは、競争心が必要な分野への進出を難しくした原因の一つにもなっていたと考えられます。
参考 : 合成生物学の人材育成に資する国際コンテスト iGEM - 木賀 大介
Kyoto (2008 ~ 現在)
Kyoto のチームは、PI や体制が変更され、何度も消滅の危機に晒されながらも、長く継続的に、iGEM に参加しています。 彼らの目的は、合成生物学を楽しく実験して学ぶことにあるそうです。それは、京大の自由な校風ともとても親和性の高いものです。
このような活動で育ってきた人は、自由な発想を持った研究者に多くなっています。これも、大きな成功の例と言えます。
参考 : 第 6 回 国際コンペティションに参加してもたらされる創造性と大学の役割
このように、日本の多くのチームは、Grand Prize を純粋に狙いにいくよりも、より合成生物学の発展や、アカデミアの発展に貢献するために、活動してきたことがよくわかります。
しかし、一部の人たちは、熱狂の渦の中心にいくことを望み、新しい時代を見ようと、背伸びをしようとするものです。 そのような挑戦は、異なる目的を持った組織で実現することは容易ではありません。 変革を目指し、個人で新しい目的を根付かせるために、活動しなければなりません。 そのようなことを成功させるためには、必ず強いリーダーが必要です。
強いリーダーが既存コミュニティを超えるための条件
iGEM Competition には、優劣が存在します。その中で勝ち抜くには、既存のコミュニティに勝たなければなりません。 他のことであれば、異なる目的を持ったコミュニティとわざわざ戦う必要もありません。
既存の強いコミュニティに勝つには、強いリーダーが必要です。 コミュニティが持つ、強力な仕組みに対して、強い意思を持って個人で追いつき、超えなければなりません。
前述のように、Boxiang Wang さん (LINKS-China) や、Dainius Tautvaisas (Vilnius-Lithuania) は、良いお手本になるでしょう。 彼らは、初年度から確実に結果を残しつづけています。現在と初年度の細かいスタイルは異なりますが、大枠の思想的なコミュニティの色は、ずっと一貫しているようにも感じます。 彼らは、根底の思想をぶらさずに、iGEM Competiton で勝つために必要なことを積極的に取り入れ、高速に試行錯誤することで、強固なスタイルを確立していくことに成功しました。
私は、iGEM Competiton において、強いコミュニティになるには、既存の強いコミュニティの方針を知り、それを取りいれ、初年度から勝ちつづけることが重要だと考えています。 ただし、強いシステムの仕組みを知っていても、強いコミュニティに存在する環境なしに行うことは、簡単なことではありません。 それは、本来、システムが担ってくれている部分を、リーダー自身で補わなければならないことを意味します。 そのようなことを乗り越えるために、強いリーダーが折れずに取り組みつづける必要があります。そのときのリーダーは、大きな犠牲を払うことを覚悟しなければなりません。
強いコミュニティのシステムの分析
Grand Prize をとるためには、どのようなスケージュールでやり、どこが重要なのか。どのようなプロジェクト戦略でやるべきなのか。高得点をとるためにはどのようにするべきなのか。Judge の人はどのような人でどのような採点をするのか。
このようなことを分析することは容易ではありません。 ほとんどの場合、これらのことは、言語化されて外部に公開されていないからです。 しかし、近年の iGEM では、強いコミュニティで育ってきた人が、iGEM 本部で働くようになり、そのノウハウが、プログラム全体に少しずつ落とし込まれてきています。 そのため、全部のチームが、何も考えずに、強いコミュニティのノウハウを享受できるような環境になってきています。
ただし、情報は不完全ですし、その情報が重要であると判断し、それを守ることができるかどうかは、個人の能力次第です。 強いコミュニティには、それらの細かいノウハウや環境が、存在するでしょう。それらは、個人の能力によらず、高いレベルでプロジェクトの質を担保する大きな要因になっています。
また、チーム初年度の場合、すべてのことが未知であり、全貌を把握するだけでも、多くの時間を要することになります。 しかし、それでは、必要なタイミングで必要なことができないため、良い結果を出すことが困難です。 もし、初年度でGrand Prize をとりたいのであれば、とるための道のりを知っている人を、チームに引き入れましょう。 それしか、初年度から勝つ方法はないです。そして、運は絶対に必要です。 iGEMの仕組み上、Finalistになれるかどうかは、運が大きく関わってきます。数年間、そのレベルのプロジェクトを行い続けて、始めてなれるものです。
iGEM Competiton のルール
それでは、いくつか私が重要であると考えているシステムについて紹介します。 まずは、iGEM Competiton のルールを知ることです。iGEM Competiton は、明確な採点項目(Judging Handbook) が存在し、それを Judge が評価することで、点数で優劣がつきます。 その項目を知ることは、最も重要です。(ルールもわからないのに、勝てるほどあまいものではありません。)
しかし、Judging Handbook の中身は、抽象的すぎて、何が重要なのかを理解することは難しいです。 Judge に参加するか、Judge の友達をつくりましょう。 彼らの思考を理解することで、より詳細な全体像を理解できるようになります。
Judge システムをハックして、点数を稼ぐためのプロジェクトを行うことは、公式には推奨されていません。 それは、真に良いプロジェクトを見つけるためです。
しかし、それは、既存のルールに適した最適な手法を理解した上での話であり、その手法を知らないのに、なんでもやればうまくいくというものではありません。 守・破・離の順番です。そして、離は、プレイヤーとしてではなく、iGEM 運営としてルールを変えることです。 プレイヤーとしては、すでに膨大なチームが積み上げてきた成功のフォーマットを受け継ぎ、まずはその手法を学ぶことです。 その上で、そこをすこし飛び出して、オリジナリティを加えることに挑戦するかを選ぶべきです。
そのため、プレイヤーによっては、ルールをしっかり理解し、ハックしてでも、そのノウハウを得ることが重要であろ思います。 もし、ルールに違和感や疑問を持ったら、後輩のためにも、ルールを変更するために、iGEMのJudgeに参加し、ルールを変更しましょう。
(日本人は、ほぼ Judge に参加していません。 それは、現在の iGEM Competiton における全体像も知らない、かつ、日本人的な価値観で評価してくれる人の少なさも示しています。 日本人的な価値観が重要であると考えるのであれば、Judge に参加してください。それ以外に、考えの不一致を乗り越えることはできないです。 誰でも Judgeに参加することはできます。行動すれば、変えられます。)
プロジェクトの方向性
iGEM Competiton における王道のプロジェクトの方向性とは、どのようなものでしょうか? 私は、iGEM におけるプロジェクトについて、次のようなことを王道の手法として考えています。
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理想 : 独自ビジョンを打ち立て、実現可能なアイディアで最後まで実現させる
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現実 : 既存のものに、オリジナリティを追加する
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妥協 : 既存のものを再現する
大抵のチームは、2 を目指して、3 で終わります。 1 を目指すには、最初からそれを掲げないと厳しいです。 しかし、そのレベルでプロジェクトを完結させるのは、かなり困難です。 私が 一定の完結を迎えていて面白いと感じたのは、(パーツとして面白いプロジェクトはそれなりにありますが)、2021 Marburg open plant (Overgrad) ただ一つのチームのみです。 このプロジェクトは、独自のビジョンを、実験の工夫で実現した、とても素晴らしい例だと思います。
世の中には、少し学んだだけで、本質を捉えることができる超人は存在します。 例えば、BTC を少し学んだ後、19 才で Ethereum を作った Vitalik などがそうでしょう。 しかし、そうではないのであれば、現実を受け入れ、いまできることに全力で取り組むことが、勝負をする上では重要です。 理想に挑戦する機会は、いまやることをやり終えて、成長した後からでも遅くはありません。
このような背景のために、iGEM で勝つプロジェクトは、技術的には既視感のあるものばかりで、その適応範囲を、それっぽく言うことで、誤魔化しているものが多いです。 それを理解した上で、プロジェクトを立ち上げます。また、最後まで実現していないプロジェクトの真髄を、Judge に伝えるのは、困難な作業です。 そのため、Judge が理解しやすいようなプロジェクトが評価されるのも、当然のことでしょう。
iGEM Japan United 2023 のとった戦略は、1 を直接やることは無理だと決断した上で、2 を愚直に実行しながらも、1 につながるようなことを行うことでした。 本来、1 と 2 の間には、大きな隔絶があるために、連続的に行うことは難しいです。 しかし、世界でも有数な技術力を持つ、研究室に協力してもらうことで、それを実現させることができました。
そして、通常困難であるビジョンの共有も、iGEM 2022 に参加してた運営者の数多くが抱えていた、実世界での実現性のない (安全性、コスト面) プロジェクトが多すぎるという問題をクリアするための新しい手法であるという、誰もが共感できるビジョンを打ち立てることで、乗り越えました。
(iGEM Japan United 2023 の発表の特にパーツの部分を見るとよくわかると思います。全体のストーリーは、2 です。パーツ 00 は、1 です。パーツ 01 は、2 です。そして、ストーリーを独自性を加えるもの、そして今後の合成生物学に影響を与える可能性のあるビジョンを示したものが、パーツ 02 です。)
スケジュール
このような美しく素晴らしいストーリーを打ち立てても、実行時間が残されていなければ意味がありません。 プロジェクトと期限のバランスを常に確認しながら、適切なタイミングで、適切に決断して、前に進まなければなりません。
iGEM が発表している公式のスケジュール (締め切り) は、年々参加者に、適切なタイミングを教えるものになっています。 これらは、これまでの競合チームのノウハウをテンプレートとして提供してくれている一つの例です。
例えば、組み換え申請には時間がかかることから、早い段階で、安全フォームの提出が義務化されています。 そして、それと同時期に DNA 合成の支援があります。そこまでに、計画をしっかりとねり、そこから実験を頑張るというスケジュールが適切であることを示唆しています。
他にも、これまで Wiki フリーズまで特に締切がなかったものが、Wiki に手をつけ始めるタイミングを教える意味での、早期の Description ページの提出があります。 さらには、プロジェクトの大きな方向性を決定するタイミングとしての promotion ビデオの提出などがあります。
このようなスケジュールのテンプレートは、iGEM プロジェクトを確実に成功に導くためのものですが、それをしっかりと守り、実行するための細かいノウハウや環境については、ほとんど言及されていません。 そのノウハウを知り、実行することが、コミュニティの強さの差になっています。この勘所を知るためには、多くのGrand PrizeリーダーやPIたちを話したり、時間をかけて自分で手にいれるしかありません。
世界トップレベルの環境を感じる
これまで、強豪チームの持つ、人的な環境を感じるためには、現地に行って、直接交流しなければなりませんでした。 しかし、SNS が普及した現代において、世界トップレベルのライバルとオンラインですぐに知り合い、共に競い合うことができます。 また、そのようなためのイベントも、iGEM では数多く存在します。
しかし、日本チームは、それをしません。なぜでしょうか?
それは、それができることを知らないからです。
私も、自分が iGEM をやっていた当時は、海外のチームとの繋がりやライバル意識はほぼ皆無でした。 自分たちの基準を高めるために、世界トップの水準を知ることは、絶対のアドバンテージになるにも関わらず、Grand Prize をとるような環境の人と、喋ることもしませんでした。
しかし、その後、iGEM 本部で働くことにより、そのような機会は数多く存在し、iGEM のエコシステムは、とてつもなく大きくなろうとしていることを知りました。
そこに入り込み、これまで iGEM で感じたことのなかった緊張感や刺激をぜひ感じるべきです。 多くの日本の iGEMer は、受験などの競争を体験する中で、このような緊張感や刺激が、大きなモチベーションになることを知っているはずです。 それを、世界水準に高める努力を自らで行いましょう。
iGEM Japan United 2023 は、それをやりました。国際的なミーティングに参加したり、国際的なHackthon に参加したり、Grand Prize リーダーと相談するための Zoom を行ったこともありました。 そのように、しっかり行動し、世界トップレベルの刺激を自ら求めにいくことで、必要な情報やノウハウを手にいれることができます。
WikiとPresentation
一方で、iGEM Competiton における表現のテンプレートは、近年高速に共有が進んできており、誰でも享受できるものとなっています。それは、Wiki とビデオの存在によるものです。
Wiki は、これまで 2000 年代から継続されてきた、MediaWiki によるものでした。現在でも、iGEM Parts のシステムは、これを採用していますが、これを用いて Wiki を書くことは、本当に時代遅れで、大変でした。
それは、2020 年ごろからの体制変更により、iGEM 本部 にデザインチームが設置され、iGEM のデザインや Web システムをすこしずつ改善が繰り返されてきました。 さらに、Gitlab の台頭も相まって、MediaWiki から Gitlab Community Ediction の移行が、ついに実現されました。 それにより、2022 年より、現代のモダンなフレームワークを使用した Wiki を書くことができるようになりました。
このことは、Wiki のすべてのコードの公開義務がある iGEM においては、大きいことです。 良いチームのコア部分のコードをフォークしてきて、手元で簡単に改変できることを意味します。 現代のモダンなフレームワークよって作られた真似る価値のあるテンプレートです。 まずは、真似するところから始めましょう。
また、プレゼンテーションも同様です。 これまで、プレゼンテーションは、現場で行っていました。しかし、審査でビデオが採用されるようになり、細かいプレゼンテーションスキルや言語的なものではなく、ビデオに集中すれば良くなりました。 これにより、昨年度までの良いビデオの構造を調査し、真似すればよくなりました。ここには、言語の壁も、プレゼンテーションスキルの差もありません。完全にフェアな戦いになりました。
iGEM Japan United 2023 は、Wiki は、2022 Best wiki と Leiden 2020 の Wiki を参考に、独自フォーマットで作成し、ビデオは、Lambert-GA 2022 (Grand Prize) の構成を忠実に再現して作成しました。
Wiki は、参考にしたチームとは比べものにならないクオリティではありますが、なんとか書き終えました。執筆スケジュールの甘さなども踏まえた Wiki 作成の認識の難しさが招いたことでした。(Judge の寛大な心に救われ、良い採点結果を得ることができました。)。 一方で、ビデオは、非の打ちどころがないものになっていると思います。これは、日本チームで初めて、Best Presentation を獲得したことがよくわかるものです。 そして、このビデオは、Grand Prize をとるための、最後の Judge 審査 (最終日) で多いに、結果を後押ししたことでしょう。 (iGEM competiton 2023 では、例年までのステージ上でのプレゼンを Judge が審査するスタイルではなく、別会場で、ビデオを確認することで Judge が審査することが事前にわかっていました。なぜフルタイムのプレゼンテーションをちゃんと練習しているチームがあったのでしょうか...?)
中身で勝負したいのであれば、形式や執筆スケジュールをしっかりと守ってください。それだけ、大きく改善します。
参考 : 松尾ぐみの論文の書き方:英語論文
このように、iGEM Competiton における表現のテンプレートは完全に確立されました。 もはや、これらのテンプレートを使用しているものと、使用していないものの差は歴然となっています。 Wiki と Presentation は、Fainalist の進出のための重要な項目の一つです。 ( Project + Wiki + Presentation の点数で競われます。)
そのような分野において、テンプレートを使用するかどうか (or 同等のものをつくるか) が 、能力差以上に結果に響いてきます。 テンプレートをコピーできた作品のクオリティは、どのチームも超一級品だと思います。超一級品の作品が多くある中で、通常の作品は、悪目立ちします。減点材料にしかなり得ません。
Gold メダル要件の選択
2023 年からプロジェクトに集中するために、Gold メダル要件 ( + Special Prize 選出対象) が、3 つに絞られました。 Grand Prize を目指す上で、大切なのは、Project + Wiki + Presentation のスコアです。Special Prize の点数は、直接影響しません。 Special Prize を目指しているのであれば、話は別ですが、Grand Prize を目指しているのであれば、自分たちの魅力が伝わるような Gold メダル要件を選択しましょう。 Judge はそれらの選択によって割り当てが考慮されますし、それらの項目を重点的に見ます。それらの項目がプロジェクトと相乗効果があるかは、Project の評価に強く繋がってきます。
iGEM というコミュニティ
巨人の肩にのる
iGEM に参加し、合成生物学の教育を受け、実力を証明するということは、iGEM という大きな巨人の肩に乗ることで、多くの困難をスキップして手にいれることができます。
本記事を読めば、iGEM が他のコミュニティに対して、そのような大きなテンプレートや考え方の基本を与えてくれていることが明確にわかるでしょう。 良いコミュニティには、良いテンプレートがあり、そのテンプレートは、能力を大幅に補完し、力を与えてくれます。 その力は、テンプレートを持たない他のコミュニティの天才の力をはるかに凌駕することも多くあるでしょう。 今の社会には、成功のための多くのテンプレートが存在します。まずは、そのような巨人の肩にのって、高いところからの景色をみてみましょう。iGEM であればそれができます。
このようなこと理解した上で、本当に差別化要因になるものを手にいれるために、自分にあったコミュニティに属することを貪欲に狙うべきだと思います。 第三の扉は、熱狂的なあなたのために、いつでも空いています。
日本の iGEMer のほとんどは、そのようなコミュニティの力を知らないままに、引退していきます。 そのために、その後もコミュニティに貢献することが、自らの利益にもつながると考える人が、ほぼいません。 日本コミュニティとして、Grand Prize をとった今、本記事がそれらを考えるきっかけになることを願います。 適切に自分の武器を知ることは、その後の成功に大きく寄与すると思います。
また、既存に存在する巨人の肩にのって、見えた景色とは違うものがみたくなることもあるでしょう。 そう思ったのであれば、自分でそのような巨人をつくってみてください。 それにより、多くの人が異なる景色を見ることができるようになり、社会はより豊かになると思います。
2023 年は、日本の iGEM コミュニティにとって、Grand Prize という景色を初めてみることができた年です。 しかし、それはしっかりと築いた土台の上に達成されたものではなく、巨人の足元から、飛び道具 (世界トップレベルの研究室のリソースをつかったこと + リーダーに相当な負荷をかけて無理やり実行したこと) を使用して、ジャンプして見てきたようなものです。 本当に、しっかりとした土台を作り、大きなストレスなく”当たり前”に Grand Prize をとれるようになるためには、まだまだ道は長いと思います。 そのようなモチベーションを持った人が、今後も日本の iGEM コミュニティに現れるかどうかはわかりませんが、そのような人に、本記事が届き、参考になれば幸いです。
Not only "the competition" but also to "the root of the bioeconomy"
Why are Japanese people only interested in Competition?
これは、私が実際に iGEM 本部で働いていた時に、実際に言われた言葉です。 iGEM Competition は、iGEM で重要な意味をもつものだけど、他にも多くの活動がたくさんあるよ? 日本の人は、なんで、それらの活動に興味を示してくれないの?という純粋な疑問から投げかけられたものでした。
彼らは、日本人が iGEM と呼ぶものを、iGEM Competition と呼んでいました。 私は、本記事では、意識的に、iGEM Competition と記載しています。
また、2023 年の Jamboree Final Day に、Chair of IGEM Startups の Marcel Wittmund さんはこう言いました。
iGEMers, the Root of the Bioeconomy
今の iGEM は、Competiton という枠組みを超えて、 合成生物学の文化の中心となり、それを世界に広めるための場所に生まれ変わろうとしています。 多くの友人たちが、iGEM を中心としたエコシステムを拡大し、社会に影響をもたらすための活動を開始し始めています。
皆さんは、iGEM League のことや、iGEM 関係者が国連の BWC で発言していることを知っていますか?
このような展開のきっかけをつくったのも、一人の情熱によるものです。 Guilherme Kundlatsch さんは、iGEM Ambassdor、After iGEM (現 iGEM Commuinty) という組織をつくるきっかけを生み出しました。そのころから、iGEM は、大きく変わっていくこととなりました。
もし世の中に必要なものがなければ、作る。 理解できなければ、学びを深めて、その知識をまとめて公開する。 必要なものを作ってくれた人がいたのであれば、感謝して使う。 これら全ての行為が社会にとって意味のあることだと信じ、楽しみながら続ける。 iGEMerたちは、そんなハッカーマインドを持って、iGEMを良くしようと続けています。
iGEMは単なる競技科学ではありません。確かに、プロジェクトの良し悪しは評価されます。 しかし、その基準は、ボランティアでiGEMを良くしようとしてくれているJudgeの人たちにとって、プロジェクトが、どれだけインパクトがあるか (合成生物学を通じて社会を良くするか、自分たちのコミュニティにプラスになるか) によって、大きく異なります。 彼らのようなオープンなマインドを持つJudgeが多いとき、今ないものをいかに生み出し、コミュニティに価値をもたらすか。その視点が最も大切です。
今の日本のiGEMチームは、受験のような試験を受けるマインドであることが多いです。 それは、自分の答案用紙 (プロジェクト結果) をシステムに送り込めば、採点してくれて、結果が返ってくる。というような考えです。
その場合、試験には厳密なルールがあって、それに対してどれだけできたかを競うものだと思います。 しかし、今の Judge は、そのような考え方ではないので、評価はされにくいです。
iGEM Japan United 2023は、しっかりと世界のiGEMerと交流し、今コミュニティに足りないものを認識した上で、 自分たちのオリジナリティのあるアイディアで、全iGEMerのブレイクスルーになるようなパーツを作り上げました。
そこには、これまでの日本のチームにはない、コミュニティの方を向くベクトルがありました。
それが今、初めて、GrandPrize を取れた理由だと思います。 このことは、プロジェクトを大きく評価する要因になったのだと確信しています。
参考 : iGEM Japan United 2023 - Judging Feedback
私にとって、"iGEM"は、新しい時代を作るために熱狂的に活動しているから、面白いものでした。 そのような熱狂的な”人”たちに囲まれて、過ごすという経験は、何にも変え難いです。だからこそiGEM をやる意味があるし、良い経験になるのだと思います。
日本コミュニティとしても、ひとまずは、Grand Prize を獲得して、次の段階に進むスタートラインに立つことができました。 昨年度の私の挑戦は、失敗に終わりましたが、新しい挑戦をする良い機会だと思います。 皆さんも、少しでもハッカーマインドを持って、活動に取り組んでみてください。きっともっと楽しい世界がそこにはあると思います。 これから、日本コミュニティから、Bioeconomy や Bioecosystem に良い影響を与える活動が生まれることを願っています。
活動の源泉
あなたの活動のモチベーションはなんですか?
新しい時代を切り開くための活動を行ってきた、多くの人のモチベーションの源泉は、反骨心です。 しかし、圧倒的なレベルの環境による”当たり前”を体験することで、活動を行う人もいます。
反骨心は、満たされてしまったら、それでおしまいです。しかし、”当たり前”に活動している人にとって、その活動を行うことは、息をするのと同じようなものです。 そのため、彼らはモチベーションの波に影響されずに、物事を継続的に積み重ねることができます。この種のモチベーションは、より安定した価値を提供することが多いです。
例えば、地動説を唱えたガリレオガリレイも、父親ヴィンチェンツォ・ガリレイの音楽理論(振動する弦と気柱の振動の物理を数学的に研究する理論)の確立に深く影響を受けました。 彼もまた、”物理現象を数学で表現できる”という、彼の人生にとって、ありふれていた”当たり前”を、”当たり前”のように信じ、活動することで、社会に大きな影響を与えました。
良いことばかりではありません。悪しき習慣は組織を蝕み、多くの新しい挑戦者の芽を詰んでいきます。 日本は、組織を潰すことを躊躇し、ゾンビのように存続させますが、それは時代遅れの存在から脱却し、次の時代に踏み出すきっかけを奪っています。
適切に撤退することは、ゼロから何かを作るよりも何倍も困難です。トレンドに乗り、攻め続ける状態を保つことが理想ですが、撤退の決断を遅らせてはなりません。 撤退すべきだと感じた瞬間、役目は既に十分果たされています。早く決断し、次のステップへと進みましょう。それは、関係者全員の利益になります。
残念ながら、今の日本のiGEMコミュニティは、そのレベルには達していません。 しかし、iGEM Japan Unitedチームがやってきたことを学び、実行することで、そのようなコミュニティになれる可能性は十分にあると思います。
今や、本当に世界と繋がれる時代です。毎週雑談するところからはじめるのでもいいでしょう。 ”当たり前”に、世界トップの水準でできるような環境をつくることが、新しい文化をつくり始めるための活動の本当のスタートラインです。
日本のiGEMコミュニティが、属することで、”当たり前に”、世界トップレベルの新しい文化をつくることを考えられるような環境になってくれることを願っています。
終わりに
私は、iGEM の活動の中で、たった一人の熱量で国をも動かしてきた iGEMer と、何人も出会いました。 さらには、その瞬間では報われなくとも、その熱量は確実に次の世代に受け継がれていることも、何度も目にしてきました。 次は、iGEM を創った偉大な先駆者たちを見習って、iGEM に匹敵するような、新時代に求められる新しいものを創ることに挑戦します。
皆さんも、自分の直感に従い、明日の世界を今よりももっと良くできると信じて行動してくれることを願っています。 そして、その尖った牙を、良き仲間と削り合い、さらに鋭利なものとし、逆境に耐え抜き、新しい世界を切り開いてくれる異端な存在として、良い社会をつくってくれることを楽しみにしています。
最後になりますが、これまで iGEM や日本のコミュニティを支えてくださった方、すべての人に感謝申し上げます。
そして、見事に限界を打ち破り、新しい時代の象徴となった、iGEM Japan United 2023 チームに感謝します。 彼らの強い信念と情熱がなければ、このようなことを達成することができませんでした。本当におめでとう、そしてありがとう。今後の活躍を心より願っています。
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